スマートホームでできること|営業に活きる初心者ガイド

近年、IoT技術の進化に伴い、住宅市場においても「スマートホーム」への関心が急速に高まっています。顧客から「スマートホームで何ができるのですか?」「導入するメリットは?」といった質問を受ける機会も増えているのではないでしょうか。しかし、専門用語が多く、初心者である顧客にわかりやすく説明することに課題を感じている営業担当者の方も少なくありません。

本記事では、不動産営業担当者や住宅コンサルタントの方が、顧客への提案時に自信を持って活用できる「スマートホームでできること」を網羅的に解説します。基礎的な仕組みから、顧客の心に響く具体的な活用シーン、そして導入時の注意点まで、営業トークに直結する情報を整理しました。これらを活用することで、物件の付加価値を効果的に伝え、成約率の向上にお役立てください。

スマートホームの定義と仕組み|顧客説明用の基礎知識

スマートホームの定義と仕組み|顧客説明用の基礎知識

スマートホームという言葉は広く知られるようになりましたが、その定義や仕組みを正確に説明できる方は意外と少ないものです。顧客にその魅力を伝えるためには、まず「スマートホームとは何か」を明確に定義し、従来の住宅設備との違いを理解しておく必要があります。ここでは、顧客への説明にそのまま使える基礎知識を整理して解説します。

スマートホームとは「IoT技術で快適な暮らしを実現する家」

スマートホームとは、一言で言えば「IoT(Internet of Things:モノのインターネット)技術を活用して、家電や住宅設備をインターネットに接続し、より快適で安全な暮らしを実現する家」のことです。

単に新しい家電が揃っている家という意味ではありません。照明、エアコン、鍵、カーテンなどがネットワークを通じて連携し、住む人の生活スタイルに合わせて自動的に動作したり、遠隔操作ができたりする住環境を指します。顧客への説明時には、「家がスマホや声で操作できるようになり、まるで執事がいるかのように生活をサポートしてくれる住まい」と伝えるとイメージが湧きやすいでしょう。

インターネットと家電が相互連携する仕組み

スマートホームの根幹にあるのは、インターネットと家電の相互連携です。家庭内に設置されたWi-Fiルーターなどのネットワーク機器を介して、各デバイスがクラウドサーバーやスマートフォンと情報をやり取りします。

例えば、外出先からスマートフォンでエアコンを操作する場合、その指令はインターネットを経由して自宅のWi-Fiに届き、そこからエアコンへと伝達されます。また、温度センサーが室温を感知してエアコンを作動させる場合も、センサーの情報が制御システムに送られ、自動的に判断が下されます。このように、機器同士が「会話」をするように連携することで、高度な制御が可能になるのです。

従来のリモコン操作とスマートホームの決定的な違い

従来のリモコン操作とスマートホームの決定的な違いは、「単方向の操作」か「双方向の連携・自動化」かという点にあります。従来は、人がリモコンのボタンを押して初めて機器が動くという受動的なものでした。

一方、スマートホームでは、以下のような能動的な動作が可能になります。

  • 自動化(オートメーション): 「朝7時になったら」「室温が28度を超えたら」といった条件で自動的に作動する。
  • 一括操作(シーン設定): 「行ってきます」の一言で、照明・エアコン・テレビをすべて消灯する。
  • 状態確認: 外出先から鍵がかかっているか、電気がついているかを確認できる。

この「家が自ら考え、動いてくれる」という点が、顧客に伝えるべき最大の付加価値です。

スマートホームでできること|主要機能の完全ガイド

スマートホームでできること|主要機能の完全ガイド

顧客が最も知りたいのは「具体的にどんなことができるのか」という点です。機能の全体像を把握しておくことで、顧客のライフスタイルに合わせた提案が可能になります。ここでは、スマートホームの主要な5つの機能を解説します。これらはスマートホーム体験の中核をなすものであり、多くのデバイスがこれらの機能のいずれか、あるいは複数を備えています。

スマートスピーカーを通じた音声コントロール

最も代表的な機能が、スマートスピーカー(AIアシスタント)を通じた音声コントロールです。Amazon EchoやGoogle Homeなどのデバイスに話しかけるだけで、家電を操作できます。

  • 「アレクサ、電気をつけて」
  • 「OK Google、テレビを消して」

料理中で手が濡れている時や、子供を抱っこしていて両手が塞がっている時に非常に便利です。また、リモコンを探す手間も省けます。高齢者の方にとっては、複雑なボタン操作よりも直感的に扱えるため、バリアフリーの観点からも推奨できる機能です。

スマートフォンアプリによる外出先からの遠隔操作

スマートフォンアプリを使用すれば、外出先から自宅の家電を遠隔操作できます。これは、共働き世帯や忙しいビジネスパーソンにとって非常に魅力的な機能です。

  • 帰宅前にエアコンをON: 夏は涼しく、冬は暖かい部屋に帰宅できる。
  • 消し忘れの確認と操作: 「電気を消したかな?」と不安になった時、アプリで確認してその場でOFFにできる。
  • お風呂の湯張り: 帰りの電車の中からお湯張りを開始し、帰宅後すぐに入浴する。

このように、時間と場所の制約を超えて家をコントロールできる利便性は、強力な訴求ポイントとなります。

GPS位置情報と連動した「ただいま・行ってきます」の自動化

スマートフォンのGPS位置情報を活用した自動化機能(ジオフェンス)も、スマートホームならではの機能です。自宅を中心とした一定の範囲を設定し、そのエリアへの出入りをトリガーとして家電を制御します。

  • 自宅に近づいたら: 半径500m以内に入ると、自動でエアコンと照明がONになる。
  • 自宅から離れたら: 半径200m以上離れると、すべての家電がOFFになり、ロボット掃除機が始動する。

操作すら不要になるこの機能は、「魔法のような体験」として顧客に驚きと感動を与えることができます。

時間指定やセンサー検知による家電の自動制御

時間やセンサーの検知情報を条件(トリガー)として、家電を自動制御することも可能です。生活リズムや環境変化に合わせて家が調整を行ってくれます。

  • 時間指定: 毎朝6時にカーテンを開け、ニュースを流す。
  • 人感センサー: 夜中にトイレに起きた際、廊下の照明を眩しすぎない明るさで自動点灯する。
  • 温湿度センサー: 室温が設定値を超えたらエアコンを作動させ、ペットの熱中症を防ぐ。

これにより、日々のルーティンワークから解放され、常に快適な環境が保たれます。

複数の家電をワンタップで操作するシーン設定

「シーン設定」とは、複数の家電の操作をワンタップ、または一言の音声コマンドでまとめて実行する機能です。生活の場面ごとに最適な環境を一瞬で作り出します。

  • 「おはよう」シーン: カーテンが開く、照明がつく、エアコンが入る、今日の天気が読み上げられる。
  • 「おやすみ」シーン: すべての照明が消える、玄関の鍵を施錠する、エアコンがナイトモードになる。
  • 「シアター」シーン: 照明を暗くし、テレビとスピーカーを起動する。

個別にリモコンを操作する手間を省き、生活の質(QOL)を劇的に向上させる機能として紹介しましょう。

【目的別】顧客のニーズに刺さる具体的な活用シーン

【目的別】顧客のニーズに刺さる具体的な活用シーン

機能の羅列だけでは、顧客は自分事として捉えにくい場合があります。顧客の悩みや属性に合わせて「どのようなシーンで役立つか」を具体的に提示することが、提案力を高める鍵となります。ここでは、ターゲット別に刺さりやすい8つの活用シーンを紹介します。これらを営業トークの引き出しとして持っておくことで、より説得力のあるプレゼンテーションが可能になります。

家事の時短|ロボット掃除機と連携した床掃除の自動化

共働き世帯や子育て中の家庭に最も響くのが「家事の時短」です。ロボット掃除機をスマートホームシステムに連携させることで、床掃除を完全に自動化できます。

外出時に自動で掃除を開始するよう設定しておけば、帰宅時には床がピカピカの状態になっています。また、スマートスピーカーに「掃除して」と言うだけで、特定の部屋だけを掃除させることも可能です。家事の負担を減らし、家族と過ごす時間を増やせるというメリットは、多くの顧客にとって大きな魅力となります。

防犯対策|スマートロックによるオートロックと施錠確認

セキュリティに関心の高い顧客には、スマートロックの導入が効果的です。玄関ドアのサムターンに取り付けることで、物理的な鍵を使わずに施錠・解錠が可能になります。

  • オートロック機能: ドアが閉まると自動で施錠されるため、鍵の閉め忘れを防止できます。
  • 施錠確認: 外出先からアプリで鍵の状態を確認できるため、「鍵かけたっけ?」という不安から解放されます。
  • 履歴管理: 誰がいつ帰宅したかのログが残るため、家族の帰宅確認にも役立ちます。

セキュリティ|外出先からの来客対応と不審者への威嚇

スマートインターホン(ネットワーク対応ドアホン)を活用すれば、外出先でもスマートフォンで来客対応が可能です。

宅配便の配達員と通話して置き配を依頼したり、急な来客に対応したりできます。また、防犯面でも大きな効果を発揮します。インターホンのカメラが動きを検知して録画を開始し、スマホに通知を送る機能があれば、留守中の不審者に対する抑止力となります。不在であることを悟らせない対応ができる点は、防犯意識の高い顧客に強くアピールできるポイントです。

見守り|屋内カメラとセンサーによる子供・ペットの安否確認

小さなお子様がいる家庭や、ペットを飼っている家庭には「見守り」機能が刺さります。屋内に設置したネットワークカメラを通じて、外出先から室内の様子をリアルタイムで確認できます。

  • 子供が学校から帰宅したか確認し、カメラ越しに会話をする。
  • 留守番中のペットがいたずらをしていないか、元気にしているかを見る。
  • 離れて暮らす高齢の両親の活動をセンサーで検知し、異常があれば通知を受け取る。

プライバシーに配慮しつつ、大切な家族の安全を守れる点は大きな安心材料です。

快適性|温湿度センサーを活用したエアコンの自動調整

快適な住環境を重視する顧客には、温湿度センサーとエアコンの連携を提案しましょう。センサーが室内の温度や湿度を常時モニタリングし、設定した条件に応じてエアコンを自動制御します。

特に、夏場の熱中症対策や、冬場のヒートショック対策として有効です。また、ペットを飼っている家庭では、留守中の室温上昇が命に関わることもあるため、自動で適温を保つ機能は必須と言えるでしょう。人間だけでなく、家にとっても優しい環境を維持できます。

雰囲気作り|スマート電球による調光・調色のカスタマイズ

インテリアや空間演出にこだわる顧客には、スマート電球(Philips Hueなど)による照明のカスタマイズが魅力的です。スマートフォンや音声操作で、明るさ(調光)や色味(調色)を自由に変更できます。

  • 夕食時は温かみのある電球色でリラックスした雰囲気に。
  • 仕事や勉強時は集中力を高める昼光色に。
  • パーティー時はカラフルな色で楽しい空間に。

シーンに合わせて部屋の雰囲気を一瞬で変えられるため、暮らしに彩りを添えることができます。

目覚めと睡眠|カーテンの自動開閉による生活リズムの調整

健康志向の顧客には、スマートカーテンによる「光の目覚め」を提案してみましょう。設定した起床時間に合わせてカーテンが自動で開き、太陽光を浴びて自然に目覚めることができます。

大音量のアラームで強制的に起こされるストレスから解放され、体内時計を整える効果が期待できます。また、夕方には自動で閉まるように設定すれば、防犯対策や断熱効果の向上にもつながります。毎日の生活リズムを整える機能として、ウェルビーイングの観点から訴求できます。

省エネ|HEMS連携による電力の見える化と節電管理

省エネや光熱費削減に関心がある顧客には、HEMS(Home Energy Management System)との連携が有効です。家庭内の電力使用量をリアルタイムで可視化(見える化)し、無駄な電力消費を把握できます。

さらに、太陽光発電システムや蓄電池と連携させれば、発電した電気を効率よく自家消費したり、電気代の安い時間帯に蓄電したりといった制御も可能です。環境負荷の低減と家計の節約を両立できるスマートホームならではのメリットです。

スマートホーム化に必要な機器と環境構築

スマートホーム化に必要な機器と環境構築

スマートホームを実現するためには、いくつかの機器と環境を整える必要があります。新築やリフォームのタイミングであれば、あらかじめ配線計画などに組み込んでおくことが理想的です。ここでは、スマートホーム化に必要となる主要なコンポーネントを8つに分類して解説します。これらをセットで提案することで、スムーズな導入をサポートできます。

安定した高速インターネット回線(Wi-Fi環境)

すべての土台となるのが、安定したインターネット回線とWi-Fi環境です。多数のIoT機器が常時接続されるため、回線速度だけでなく、同時接続台数に余裕のある高性能なWi-Fiルーターが必要になります。

特に、戸建て住宅の場合は、1階と2階で電波状況に差が出ないよう、メッシュWi-Fiの導入を検討すると良いでしょう。ネットワークが不安定だと、機器が反応しないなどのトラブルに直結するため、最も重要なインフラと言えます。

指令塔となるスマートスピーカー(AIアシスタント)

スマートホームの「頭脳」や「耳」の役割を果たすのがスマートスピーカーです。Amazon Echo(Alexa)、Google Nest(Google アシスタント)、Apple HomePod(Siri)などが代表的です。

これらは単なるスピーカーではなく、音声コマンドを受け取り、他の機器へ指令を出すハブとしての機能を持ちます。顧客が普段使用しているスマートフォンのOS(iOSかAndroidか)や、利用しているサービス(Amazon Primeなど)に合わせて選定すると良いでしょう。

赤外線家電をIoT化するスマートリモコン

既存の家電(赤外線リモコンで操作するエアコン、テレビ、照明など)を買い換えずにスマート化するための重要アイテムです。SwitchBotハブミニやNature Remoなどが有名です。

この機器がWi-Fi経由で指令を受け取り、代わりに赤外線信号を発信して家電を操作します。これ一台あれば、古い家電でもスマホや音声で操作できるようになるため、コストを抑えてスマートホームを始めるための必須アイテムとして紹介しましょう。

物理鍵をデジタル化するスマートロック

玄関ドアのサムターン(鍵のつまみ)に取り付けるデバイスです。Qrio LockやSwitchBotロック、美和ロックのスマートロックシステムなどがあります。

後付け可能な貼り付けタイプであれば、大掛かりな工事は不要です。新築の場合は、ドアハンドル一体型の電気錠システムを導入することで、よりスマートな外観と高い信頼性を確保できます。指紋認証パッドやキーパッドなどのオプション機器と組み合わせることで、利便性がさらに向上します。

状況を可視化するネットワークカメラ

室内の見守りや屋外の防犯に使用するカメラです。Wi-Fiに接続し、スマホからリアルタイム映像を確認できます。

屋内用には、首振り機能や双方向通話機能がついたものが適しています。屋外用には、防水防塵性能があり、夜間でも鮮明に映るナイトビジョン機能を備えたモデルが必要です。プライバシー保護のため、在宅時にはレンズを物理的に隠せる機能がついている製品も人気があります。

環境変化を検知する各種センサー(開閉・人感・温湿度)

家の「感覚器官」にあたるデバイスです。単体で使用するよりも、他の機器を動かすトリガーとして機能します。

  • 開閉センサー: ドアや窓の開閉を検知。防犯やエアコンの制御に使用。
  • 人感センサー: 人の動きを検知。照明の点灯や不在確認に使用。
  • 温湿度センサー: 室温・湿度を検知。空調管理や熱中症アラートに使用。

これらのセンサーを適切に配置することで、よりきめ細やかな自動化が可能になります。

スマートホーム対応の照明器具・スイッチ

照明そのものや、壁のスイッチ自体をスマート化したものです。スマート電球は手軽ですが、壁のスイッチを切ってしまうと操作できなくなるという弱点があります。

一方、壁スイッチ自体をスマートスイッチ(Panasonicのアドバンスシリーズ リンクモデルなど)に交換すれば、物理スイッチでの操作とスマホ操作を両立できます。新築やリノベーションの際には、壁スイッチのスマート化を提案すると、入居後の満足度が高まります。

ネットワーク対応の生活家電(冷蔵庫・洗濯機・給湯器など)

最初からWi-Fi通信機能を内蔵している最新の家電製品です。スマートリモコンを介さずに、直接インターネットに接続して高度な制御が可能です。

  • 冷蔵庫: 庫内の食材管理やレシピ提案。
  • 洗濯機: 洗剤の自動投入設定や洗濯終了通知。
  • 給湯器: 外出先からのお湯張り操作。

これらは赤外線リモコンではできない詳細な情報の取得や設定変更が可能です。家電の買い替えや新規購入時には、ネットワーク対応モデルを推奨すると良いでしょう。

営業トークに使えるスマートホーム導入のメリット

営業トークに使えるスマートホーム導入のメリット

スマートホームの機能や機器について理解したところで、それらをどのように顧客へのメリットとして伝えるかを整理しましょう。単に「便利になります」と言うだけでなく、顧客の生活課題を解決する視点で伝えることが重要です。ここでは、営業トークにそのまま使える6つのメリットを挙げます。

日々の細かなルーティン作業からの解放

毎日のカーテン開閉、電気のオンオフ、鍵の施錠など、一つ一つは些細な動作ですが、積み重なると意外と時間と労力を使っています。これら「名もなき家事」とも言えるルーティン作業を自動化することで、生活のストレスを大幅に軽減できます。

「毎日5分の節約でも、年間では約30時間の自由な時間が生まれます」といった具体的な数字を交えて伝えると、忙しい現代人の心に響きやすくなります。

外出時の「鍵閉めたっけ?」という不安の解消

外出してから「あれ、鍵かけたかな?」「エアコン消したかな?」と不安になり、わざわざ家に戻ったり、一日中気になって過ごしたりした経験は誰にでもあるはずです。

スマートホームなら、スマホですぐに確認し、その場で操作できます。この「不安からの解放」と「精神的な安心感」は、機能的な便利さ以上に顧客満足度を高める要素です。「もう、鍵の心配をして引き返す必要はありません」と自信を持って伝えましょう。

両手が塞がっている時のハンズフリー操作の利便性

買い物帰りで両手に荷物を持っている時や、子供を抱っこしている時、料理中で手が汚れている時などに、声だけで照明やテレビを操作できる利便性は計り知れません。

特に子育て世代や高齢者にとって、ハンズフリー操作は生活の質を大きく向上させる要素です。「スイッチに触れる必要がないので、衛生的でもあります」という衛生面からのアプローチも、昨今の情勢では有効なトークになります。

高齢者の独り暮らしをサポートする見守り効果

高齢化社会において、離れて暮らす親の安否確認は切実な課題です。しかし、監視カメラを設置するのはプライバシーの観点から抵抗がある場合も多いでしょう。

スマートホームなら、ポットの使用履歴やドアの開閉センサー、照度センサーの履歴などを通じて、「いつも通り生活しているか」をさりげなく見守ることができます。「カメラで見張るのではなく、生活の気配を感じる見守り」として提案すれば、受け入れられやすくなります。

ライフスタイルの変化に合わせた柔軟な拡張性

スマートホームは、一度にすべてを完成させる必要はありません。最初はスマートリモコンとスピーカーから始め、必要に応じてロックやセンサー、カメラなどを買い足していくことができます。

子供の成長やライフスタイルの変化に合わせて、システムを柔軟に拡張・変更できる点は大きなメリットです。「まずは小さく始めて、便利さを実感したら広げていきましょう」と提案することで、導入のハードルを下げることができます。

最新設備による物件の資産価値向上と差別化

不動産価値の観点からもメリットがあります。IoT設備が整っている住宅は、先進的で利便性が高い物件として差別化が図れます。

将来的に売却や賃貸に出す際にも、「スマートホーム対応物件」であることはアピールポイントとなり、資産価値の維持・向上に寄与します。特に若い世代の購入者にとって、最新のテクノロジーに対応しているかどうかは、物件選びの重要な基準の一つになりつつあります。

導入前に顧客へ伝えるべきデメリットと対策

導入前に顧客へ伝えるべきデメリットと対策

メリットばかりを強調し、導入後のトラブルについて説明しないと、後々のクレームにつながる可能性があります。プロフェッショナルとして、デメリットや注意点、そしてその対策もしっかりと伝えることで、顧客からの信頼を得ることができます。ここでは、導入前に必ず伝えておくべき5つのポイントを解説します。

機器ごとの初期設定や連携作業の手間

スマートホーム機器は、購入してすぐに使えるわけではありません。Wi-Fiへの接続、アプリのインストール、アカウント作成、機器同士の連携設定など、初期設定には一定の手間とITリテラシーが必要です。

対策: 設定代行サービスの利用を提案するか、比較的設定が簡単な日本メーカーの製品(Nature Remoなど)を推奨します。また、引き渡し時に基本的な設定をサポートする体制を整えておくことも有効です。

インターネット回線トラブル時の動作制限

多くのスマートホーム機器はクラウドサーバーを介して動作するため、インターネット回線がダウンすると操作できなくなるリスクがあります。

対策: 完全にアプリや音声操作だけに依存せず、必ず物理的なスイッチやリモコン、物理鍵も併用できる環境を残しておくことが重要です。「スマートロックは便利ですが、万が一のために物理鍵も必ず持ち歩いてください」といった注意喚起は必須です。

異なるメーカー間での互換性の確認(Matter規格など)

メーカーが異なると連携ができない、あるいは連携が複雑になる場合があります。「A社のセンサーでB社の電球をつける」といった操作がスムーズにいかないことがあります。

対策: なるべく同一メーカーや同一プラットフォーム(Amazon Alexa対応、Google Home対応など)で統一することを推奨します。また、近年登場したスマートホームの共通規格「Matter(マター)」に対応した機器を選ぶことで、メーカー間の垣根を超えた連携がしやすくなることを伝えましょう。

ネットワークセキュリティとプライバシー保護の重要性

ネットワークに接続する以上、ハッキングやプライバシー漏洩のリスクはゼロではありません。特にカメラ映像やスマートロックの解錠権限などは厳重な管理が必要です。

対策: 初期パスワードの変更、ファームウェアの定期的な更新、二段階認証の設定など、基本的なセキュリティ対策の重要性を説明します。また、信頼できる大手メーカーの製品を選ぶことも、セキュリティリスクを低減する一つの方法です。

機器導入にかかるイニシャルコスト

スマートホーム化には、機器の購入費用がかかります。また、電池交換が必要なデバイスのランニングコストや、サブスクリプション型のサービス利用料が発生する場合もあります。

対策: 導入にかかる総額と、それによって得られるメリット(時間の節約、安心感、省エネ効果)を比較し、費用対効果を説明します。スモールスタートであれば数千円から始められることも伝え、予算に合わせたプランを提案しましょう。

まとめ

まとめ

本記事では、スマートホームの基礎知識から具体的な機能、活用シーン、メリット・デメリットまでを解説しました。

スマートホームは、単に「家電を声で動かす」だけのものではなく、住む人のライフスタイルに寄り添い、日々のストレスを解消し、安心と快適を提供する「暮らしのインフラ」です。顧客の「家事を楽にしたい」「防犯面を強化したい」「ペットを見守りたい」といった潜在的なニーズを引き出し、それに合致したスマートホーム機能を提案することで、物件の魅力は大きく向上します。

ぜひ、この記事で得た知識を営業トークや資料作成に活かし、顧客に新しい暮らしの価値を提案してみてください。自信を持って提案することで、顧客からの信頼獲得と成約率アップにつながるはずです。

スマートホームでできること|初心者向け完全ガイドについてよくある質問

スマートホームでできること|初心者向け完全ガイドについてよくある質問

スマートホームに関して、顧客からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。これらを事前に把握しておくことで、商談時のスムーズな対応が可能になります。

  • インターネットが切れたら家電は動かなくなりますか?
    • スマートスピーカーやアプリ経由での操作はできなくなりますが、壁のスイッチや付属のリモコン、物理的な鍵などは通常通り使用できます。生活が完全にストップするわけではないのでご安心ください。
  • 賃貸物件でもスマートホーム化は可能ですか?
    • 可能です。工事不要で取り付けられるスマートロックや、置くだけのスマートリモコン、電球交換だけで済むスマート電球など、原状回復が容易な製品が多く販売されています。
  • 高齢者でも使いこなせますか?
    • 初期設定はサポートが必要ですが、日々の操作は「声で話しかけるだけ」なので、むしろスマホや複雑なリモコン操作よりも高齢者に向いています。見守り機能と合わせて導入されるケースも増えています。
  • 導入費用はどれくらいかかりますか?
    • スモールスタートであれば、スマートスピーカーとスマートリモコンのセットで1万円前後から始められます。家全体を本格的に連携させる場合は、数万〜数十万円程度が目安となります。
  • セキュリティ面が心配です。ハッキングされませんか?
    • リスクはゼロではありませんが、信頼できるメーカーの製品を選び、パスワードを複雑にする、ソフトウェアを最新に保つなどの基本的な対策を行えば、リスクは大幅に低減できます。